- 研究内容紹介
- 線形計画法によるFIRフィルタの最適設計
最大誤差最小化基準を用いて線形位相FIRフィルタの近似設計を行う、チェビシェフ近似問題を考えますが、 その解法として線形計画法のなかでも代表的な解法である「単体法」を用いてフィルタ設計を行います。
◇FIRフィルタ
FIR(Finite Impulse Response)フィルタはインパルス応答が有限であり、常に安定なシステムであるという
特徴をもったディジタルフィルタです。
また、FIRフィルタは線形位相特性を容易に実現できる点でも有利となっています。
◇線形計画法
ある関数の値が特定の条件下で最大、もしくは最小となる状態を解析する問題のことを「最適化問題」といい、
その問題のなかにある関数や条件がすべて線形である最適化問題のことを「線形計画問題」といいます。
そして、その線形計画問題を解く手法が「線形計画法」となります。
○設計例
実際に作成したフィルタ設計のプログラムより、「ローパスフィルタ」を設計しました。
設計には、「通過域カットオフ周波数」、「阻止域カットオフ周波数」、「フィルタ長」、「周波数の分割数(周波数は連続な値のため離散化します)」
を初期値として与えます。
- 線形半無限計画法によるFIRフィルタの複素チェビシェフ近似
複素チェビシェフ近似問題を実回転定理を用いて線形半無限計画問題として定式化し、線形半無限計画法のひとつである 「3段階法」を用いたFIRフィルタの最適設計を行います。
○設計例
- 線形半無限計画法による安定なIIRフィルタの最適設計
IIRフィルタの設計は安定性を考慮する必要があるため、安定性条件を制約条件として与えて「3段階法」による最適設計を行います。